メゾチントの制作工程

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2023.06.01

ULPLUS ADlab

【ADlab(アドラボ)】印刷編vol.5

【ADlab(アドラボ)】印刷編vol.5 メゾチントの制作工程

メゾティント

メゾティントは、銅版画の一種で諧調表現に優れているモノクロ版画の手法です。

「ロッカー」と呼ばれる小さな歯を備えた金属工具で作成した数千の小さな点で金属板を粗くすることによって調性を実現します。印刷では、版の表面を拭いてきれいにすると、版の小さな穴にインクが残ります。この技術により、高レベルの品質と豊かなプリントを実現し、額装して部屋に効果的に掛けるのに十分な大きさで大胆な家具プリントを作成することができます。

 

メゾチントは、他の凹版技法で通常は点描彫刻を含むエッチングや彫刻と組み合わされることがよくあります。この工程は18 世紀からイギリスで特に広く使用され、フランスではラ・マニエール・アングレ (「イギリスの作法」) と呼ばれていました。

 20世紀までは、オリジナルの作品ではなく、主に肖像画やその他の絵画を複製するための複製版画に使用されていました。 18 世紀半ばからは、当時のもう 1 つの主要な色調技法であるアクアチント(次回にご紹介します)と多少競合するようになりました。

 

19 世紀半ば以降、リソグラフィーやその他の技術の方が同等の結果がより容易に得られるため、この技術は比較的ほとんど使用されなくなりました。

サー・フランク・ショート(1857~1945)は、デンマークのピーター・イルステッド(1864~1933)とともに、英国におけるメゾチント復活の重要な先駆者でした。現在のメゾチント プロセスの実践者には、クレイグ マクファーソン (1948 年生まれ)、フレデリック マーシマー (1958 年生まれ)、リタ ヴァンデヴォースト (1958 年ベルギー生まれ)、キャロル ワックス (1953 年生まれ) がいます。

 

メゾチントは、そのトーンの贅沢な品質で知られていて、均一で細かく粗面化された表面に多くのインクが保持され、深みのある単色を印刷することができます。第二に、ビュラン、バーニッシャー、スクレーパーを使って版を滑らかにする工程により、色調の細かいグラデーションを表現できます。スクレーパーは三角形の先端をしたツールで、バニッシャーは多くのスプーンのハンドルと同様に滑らかな丸い端を持っています。

 

メゾチントの制作工程

 

<メゾチントの制作工程>

1.ロッカーを版面で揺すりながら目立てをする。ルーレットを転がしながら目立てをする

2.カッターで引っ掻いて目立てをする

3.素地ができたら薄いグランドを引き、版面を下にしてロウソクを燻し、煤を付け全面を黒くする

4.スクレパーで絵柄を削る

5.パニッシャーで均す

6.インクを詰めて拭く

7.紙にインクを刷りとり

 

 

【参考資料】

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